UniChatX Homeの使い方
第1.0版 2014.4.24
ヘレンケラーシステムプロジェクト
文責:TM研究所 武藤 繁夫
- 盲ろうの方が、介助者の支援なくチャットが行えることを目標に開発された、Androidのアプリケーションです。ただし、使いこなすにはまず点字を
マスターしていることと、操作方法 の訓練がある程度必要です。また他のアプリを使用する ことは考慮されていません。
- できるだけ簡単な使用方法について説明します。
- 必要な要件
- Google
Playが利用可能なAndroid4.0以上
- インターネット環境(3G, Wifi問わず)
- 二点式体表点字を利用する場合は骨伝導ヘッドフォンが必要です。
- ホームボタンまたはUniChatX
Homeを起動すると、以下のようなダイアログが現れます。これはAndroidのホームアプリとして、どのホームアプリを使うかを選択する画面です。
- UniChatX Homeを選んで、「常時」をタップしてください。
- 起動した当初は通信相手が設定されていないため、設定を促されます。OKボタンをタップします。
- 通信相手のgoogleアカウント名を入力しOKボタンをタップします。
- 通信相手の設定の完了
- 画面上部の黄色い部分に「ログインしました。」と表示されていれば正常です。
- 青い部分に「わたしはxxxx」のように、自分のアカウント名が表示されます。
- 赤い部分に「あいてはyyyy」のように、相手のアカウント名が表示されます。
- 文字を入力する
- 上フリックを一回します。フリックとは、画面上
で指を上に向けてはらう動作で、上フリックは上に向けてはらう動作です。すると、
スマート点字の入力画面が現れます。
- 試しに、「あ」を入力してみます。
- まず左フリックをおこないます。すると以下のように1の点だけが入力されます。
- 続いてタップを二回行います。すると「あ」が完成します。
- 次に、「め」を入力してみます。
- 下フリックを3回行います。「あめ」という文字が入力できましたか?
- 入力した文字列を表示、再生します
- 長押し(数秒間指で触り続ける)すると、入力した文字列を大きく表示し、同時に読み上げます。
- このとき端末の振動が起きます。これは一点式体表点字と言い、点字を振動で読むことができます。以下の「メッセージの受信」の項
で述べます。
- スマート点字の操作方法まとめ
- スマート点字は、点字を上から順に三段に分け、2点
ずつ入力します。
- 上、中、下、の順に入力するので、都合3回
の操作で一文字を入力できます。
- 画面の上から1/4ぐらいまでは入力
できませんので、それより下で操作をします。
- 入力にはフリック操作とタップ操作をします。
- それらの操作と、点の配置との関係は、以下の4とおりです。
- 左フリックは、左の点だけのとき
- 右フリックは、右の点だけのとき
- 下フリックは、左右両方の点があるとき
- タップは、左右両方の点がないとき
- また、数秒間、指で触ったままにしておくと、入力した文字列を表示すると同時に、読み上げます。
- その他の操作方法
- 削除
- 縦に数回こする動作をすると、最後の一文字が削除されます。
- 横に数回こする動作をすると、すべての文字が削除されます。
- 文字列を送信する
- 上フリックを二回で送信できます。
- 元の画面に戻り、「あめ」が表示されます。
- 相手先にメッセージは届きましたか?
- 文字列を受信する
- UniChatXはgoogle社のハングアウトというチャットシステムを利用しています。このため、Androidはもちろん、パ
ソコンからでもWebブラウザを用いてチャットを行うことができます。様々な方法で送受信できるので、それぞれについてはハングア
ウトのヘルプを参照してください。
- おそらく、最も簡単に利用できるのは、Androidに標準で搭載されている「ハングアウト」を利用することです。次に簡単なのは、
インターネットエクスプローラなどのブラウザからGMailにログインし、UniChatXユーザーにハングアウトメッセージを送信するこ
とです。
- 簡単な文字列をUniChatXのユーザーに向けて送信してみてください。参考までに、以下の画面はAndroidのハングアウトで
「あいう」とメッセージを送信しようとしているところです。
- メッセージを受信すると同時に、短い端末振動が4回起きます。
- 受信したメッセージは、以下の画面のように右側の上に表示されます。
- メッセージを体表点字で再生する
- メッセージは新しい順に追加されますので、音量ボリュームキーを使って移動することで何度も再生できます。
- ボリュームアッ
プボタンを一回押すと、最近のメッセージの方へ移動し、再生します。
- ボリュームダ
ウンボタンを一回押すと、古いメッセージの方へ移動し、再生します。
- 新しいメッセージを再生するには、ボリュームアップボタンを一回押すと再生します。
- 一点式体表点字
- ステレオヘッドフォンが接続されていないとき、端末振動による一点式体表点字で再生されます。
- 点字6点の点あるときは長い振動、点がないときは短い振動をします。
- 点の再生順序は142536の順ですが、設定で123456に変更することもできます。
- 後続に点がないときは振動が省略されます(末尾省略)。
- 文字と文字の間は少し間隔が空きます。
- 例)再生順序が142536の場合
- 「あ」は1の点をあらわす長い振動が1回(23456の点は末尾省略)。
- 「い」は1の点をあらわす長い振動、4の点はないので短い振動、2の点をあらわす長い振動(356の点は末尾省略)。
- 「め」は長い振動が6回。
- 「わ」は1,4,2,5の点がないことを表す短い振動が4回と、3の点を表す長い振動が1回(6の点は末尾省略)
- 二点式体表点字
- ステレオヘッドフォンが接続されているとき、ヘッドフォンによる二点式体表点字で再生されます。
- 点字6点の点あるときは長い振動、点がないときは短い振動をします。
- 点の再生順序は上から14, 25, 36の順、つまり点字を上、中、下の3段に分け、上から順に最大3回の左右振動で再生しま
す。
- 二点式では骨伝導ヘッドフォンを使用することを前提にしています。以下の写真はshokzと
いう製品を使っています。
- 2つの点があるかないかによって、以下のように振動パターンが再
生されます。
- 両方の点があるとき:左右とも長い振動
- 両方の点がないとき:左右とも短い振動(設定によって右の短
い振動に置換できます)
- 左の点だけのとき:左だけ長い振動
- 右の点だけのとき:右だけ長い振動
- 例)
- 「あ」は1の点をあらわす左だけ長い振動が一回(23456の点は末尾省略)
- 「い」は1の点をあらわす左だけ長い振動が二回(3456の点は末尾省略)
- 「め」は左右の長い振動が三回(末尾省略なし)。
- 「わ」は両方の点がないことを表す左右とも短い振動が二回と、3の点を表す長い振動が一回(6の点は末尾省略)
- 設定
- トップ画面の上部に設定ボタンがあります。連続して5回タップすると各種設定を選択する画面が開きます。
- スマート点字に関する設定や、体表点字再生に関する設定を行います。
- 通信相手など、チャットの設定を行います。
- UniChatXはホームアプリなので、他のホームアプリに切り替えるときに使用します。
- Androidの設定パネルを開きます。
以上